働き方改革やワークライフバランスが推奨され、時短勤務やフレックスタイム制の導入などが進み、そしてコロナ禍を経ての在宅勤務・テレワーク。そんなライフスタイルの変化とともに、オフィス環境も様々な形態が登場しました。ニューノーマルにおける新たな働き方、生産性と効率性を高めるオフィスの在り方が問われる中、注目されているのが“フレキシブルオフィス”です。中でも、拠点のないプロジェクトや、稼働スペースが足りなくなったプロジェクトのための、ISVが進める“マンスリー型プロジェクトオフィス”について、掘り下げていきます。
フレキシブルオフィスの市場拡大
レンタルオフィス、サテライトオフィス、シェアオフィス、プロジェクトオフィス、コワーキングスペース・・・など、オフィススタイルの名称や特徴はさまざまあり、総称して「サードプレイスオフィス」「フレキシブルオフィス」などと呼ばれていますが、ここでは「フレキシブルオフィス」とします。
ザイマックス総研の「フレキシブルオフィス市場調査2022」によりますと、東京23区内のフレキシブルオフィスの累計拠点数が図表1です。
【図表1】フレキシブルオフィスの拠点数(東京23区)
2017年には239件だった数が、5年後の2022年には予定も含めて1,080件と4倍以上に。合わせて、図表2のように累計面積も右肩上がりで、リモートワークの需要拡大により、今後も拠点数や面積、事業者数は年々増加していく傾向にあります。
【図表2】フレキシブルオフィスの面積(東京23区)
また、東京23区におけるフレキシブルオフィスのエリアの特徴として、総拠点数の7割以上、総面積の8割以上が千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区の都心5区に集中しています。
最近では、職住近接に対するオフィスワーカーの強いニーズにより、周辺18区へのいわゆる郊外に増加している傾向が見られるものの、東京都内においては立地条件やアクセスの利便性などから、やはり東京都心部でのオフィス構築が現実的かつ根強い需要があると言えそうです。
(出典:「フレキシブルオフィス市場調査2022」ザイマックス不動産総合研究所)
フレキシブルオフィスが選ばれる理由
フレキシブルオフィスは、共通して次のような特徴とメリットが挙げられます。
- 賃貸オフィス契約と異なり、施設利用契約に基づいて利用できるので、デスク&チェア、ロッカー、パーテーション、通信環境などを設置する必要がなく、即業務開始が可能。
- 賃貸オフィスよりも、敷金や礼金、内装費などのイニシャルコスト、清掃や修繕といった建物や設備・機器などの維持管理にかかるランニングコストを低く抑えることができる。
- 立地条件の良いオフィスを構えることができる。
また、通常の賃貸オフィスと比べて、短期間の利用やニーズに合わせてのスペース利用など、柔軟な契約に対応できる点も“フレキシブル”なのではないでしょうか。ほとんどの場合、オフィスの住所を法人登記できるため、例えば外資系企業が日本支社として契約するケースも多いようです。
それぞれのフレキシブルオフィスの特徴を簡単に説明しましょう。
フレキシブルオフィスの種類
レンタルオフィス
サテライトオフィス
シェアオフィス
※ISVの骨格である“シェアリングエコノミー”については、別の記事で詳しく説明。
コワーキングスペース
プロジェクトオフィス
ISVが提供するプロジェクトオフィス「マンスリー開発オフィス」
シェアオフィスやサテライトオフィスを使用するスタートアップやベンチャー企業はもちろん多いですが、実は大手企業や中小企業によるプロジェクトオフィスの利用も多く、特に東京をはじめとする都市部で増加傾向が見られます。イトーキシェアードバリュー(ISV)が新しいオフィス形態の在り方として進めているのがこのプロジェクトオフィスです。ISVのメイン事業でもあるプロジェクトオフィス「マンスリー開発オフィス」についてご紹介します。
マンスリー開発オフィスは、拠点のないプロジェクトや、稼働スペースが足りなくなったプロジェクトのための、
“1ヶ月単位で利用・更新ができる会員制の開発オフィス”で、第一号店は東京都内のアクセス良好の立地にあります。
小規模から大規模プロジェクトまでフレキシブルに対応
20~30人の少人数から最大106名まで対応可能で、小規模から大規模プロジェクトまでプロジェクト内容や人数に合わせてフレキシブルに対応できます。予定していたプロジェクトが失注したり、開発スタート後に中止となった場合でも、必要最小限の諸費用のみでテナント契約のような無駄なコストや空間・時間は発生しません。
快適かつ機能的なオフィス家具&オフィス什器
大手オフィス家具メーカーであるイトーキ製の、高品質で快適かつ機能的なオフィス家具や設備機器をご用意しています。特にソフトウェア開発・システム開発向けのプロジェクトに重宝される“連結型”デスク(インターリンク)は、レイアウトを変更せずにオフィス運用が可能なユニバーサルプランの一つです。
連結したデスクの天板のつなぎ目が目立たず、どの位置に座ってもストレスフリー、そしてどの位置でもワゴンが収まるワゴンフリー。人数の増減に柔軟に対応する機能が、オフィスの運用を効率的にサポートします。それぞれ暗証番号付きのロッカーで、防犯やセキュリティ対策も万全です。
繰り返しの入退去が可能
ご契約方法は1ヶ月単位の“サービス利用契約”のため、繰り返しの入退去が可能です。利用料の単位は一人当たり月々5万円から。テナント契約とは異なり、敷金、共益費、部分返却不可などの制約に悩む必要も、契約期間に縛られることもありません。
高セキュリティ空間
最も重要なのは、高セキュリティ環境を備えているという点。階の出入口、廊下、それぞれのルームの入退室を監視できる計3台の高画質監視カメラ、遮音性の高いパーテーションにマウントされた非接触型ICカードの併用、入退室管理システムなどの物理的セキュリティを設置しています。
階の出入口とそれぞれのルームごとにロック解除が必要(ダブルセキュリティ)で、不正入室や不正アクセスのリスクを防ぎます。
また、セキュリティの設定で空間を可変(大部屋及び小部屋化)できるため、人数の増減に対応可能です。
特にプロジェクト型の開発系オフィスは、企画→設計→製造→テスト→導入→保守の流れの中で、人員が山なりに変遷します。この増減に対応可能な空間づくりとして、各部屋間にドアを設置、かつドアの裏と表にカードリーダを用意し、アンチパスバック機能(入室記録のない人の退室や入室済みの人の再入室などを防止)も可能です。この機能により、ある部屋は社員のみ入退可能で、それ以外はベンダーも含めて行き来ができるといった運用が可能となります。
フレキシブルオフィスを選ぶ際、セキュリティ対策は重要なポイントの一つ。当オフィスの高セキュリティ空間が、個人情報、スタッフの安全、オフィス内の資産を管理し、企業価値と信頼を守ります。
有事の際も万全の備え(BCP)
災害や事故など不測の事態が起きた場合に、最低限の業務を継続しながら迅速に復旧するための計画(BCP=Business Continuity Plan)を立て、備蓄品などを設置しています。
専用のストックルームには、ヘルメット、非常用トイレ、毛布、携帯ラジオのほか、ミネラルウォーターや保存食を備蓄しており、非常時も最低限の安心と安全を担保しています(BCP計画ではオフィス入居者の想定人数の3食3日分の飲食をケア)。
さらに、オフィスチェア一つひとつ全てに災害キットを配備している点は、個々人の防災意識を高めるきっかけにも繋がるのでは。専用のポーチには、トイレ用シート、サバイバルシート(簡易毛布)、非常食、ミネラルウォーターが入っており、いざという時に慌てずに持ち運びしやすく便利です。
もちろん非常食類は賞味期限などを定期的にチェックしているのでご安心を。
また、設置している自動販売機は「ライフライン・ベンダー」です。通常時は普通の自動販売機として販売していますが、停電になった場合に、キー操作や専用ハンドルを回すことによって自動販売機に必要な電力を供給し、無料で飲料を取り出すことができます。
専用のモニター付き会議室
オフィスと同じフロアには、大型モニターが設置された個室の大会議室と、パーテーションで区切られた小会議室が用意されています(別途時間料金制)。グループ会社やクライアント、テレワーク中のスタッフなどとのミーティングにも対応します。
このほか、個別の暗証番号付きロッカー、冷蔵庫や電子レンジ、軽食販売、喫煙室も設置されています。これらのオフィス什器や電化製品にかかる固定資産管理、清掃などの管理についても、もちろん必要ありません。
新しい価値を生み出す「マンスリー開発オフィス」
プロジェクトの開始は、受注後1ヶ月という場合があります。短期間でビルロケーション及びオフィス環境・設備を整理・調達・工程管理までを請け負うのは、大変な作業です。一方で、開発プロジェクト終盤のテスト・導入・保守段階における縮小及び撤収作業は、引越し・廃棄処分・工程管理等、有形、無形の管理コストがそれぞれ発生します。
つまり、ISVのマンスリー開発オフィスなら、物件探し、テナント契約、テナント管理、固定資産管理、現状復旧工事、什器廃棄処分など、全てお任せいただくことで面倒な管理コストを抑え、引越費用と月々の費用のみでオフィスを利用できます。多様な働き方やライフワークをサポートしながら、スピーディーかつフレキシブルに、企業やプロジェクトの生産性と価値を高めていくISVのマンスリー開発オフィスにぜひお問い合わせください。